コラム
実習中の上手なメモの取り方
保育実習では、子どもの様子や保育者の動きなど、観察するポイントがたくさんあります。
さらに、「積極的に子どもと関わろう!」と思うほど、「これでいいのかな?」「どうすればいいんだろう?」と悩む場面も増えてきますよね。
そんな中で大切になるのが、実習中のメモです。
あとで振り返って記録をまとめたり、先生に質問したりするためにも、その場で気づいたこと・疑問に思ったことは、忘れないうちにメモしておくことが大切です。
「先生に聞きたかったこと、何だったっけ…?」とならないように、今回は実習中に上手にメモを取るコツをご紹介します!
一日の流れを事前に把握しておこう
実習前に園の一日の流れを把握して、あらかじめ記入しておくと、
実習中は実際の活動や子どもたちのエピソードに集中しやすくなるのでおすすめです。
たとえば、朝の身支度や給食の準備など、毎日繰り返されるルーティンの内容は、何度もメモする必要はありません。
それよりも、子どもたちがどのように支度を進めているか、保育者がどのように声をかけているかといった、
関わり方や工夫に注目して観察することが大切です。
観察して気づいたことをその場でメモすることで、
保育者の意図や子どもの成長の様子に気づけるようになり、実習の学びがぐっと深まりますよ。
箇条書きを意識して、効率よくメモを取ろう
実習中は、保育者と子どものやりとりを観察したり、対応に悩んだ場面を日誌にまとめたりすることが求められます。
ただし、メモを取ることに集中しすぎると、子どもから目を離してしまう原因にも。
子どもとの関わりを増やすためにも、短い単語を使って箇条書きで記録することを意識してみましょう。
とはいえ、「疑問に思ったことをその場でメモしておかないと、あとで思い出せない…」ということもありますよね。
そんなときは、下記のポイントを押さえておくと便利です。
【ポイント】
●活動時間(いつ起きたか)
●誰が(登場人物)
●内容(活動内容・出来事の詳細)
●自分がどのように関わったのか
●保育者の声かけや対応の様子
【メモの例】
ままごと Aちゃん Cちゃん 人形取り合い
→すぐに止めたが、納得していない様子
→「その人形使いたかったんだね」
→気持ちを受け止めていた
このように、起きた出来事だけでなく、自分がどう感じてどう動いたか、保育者がどんな言葉をかけたかもあわせて書いておくと、
日誌を書くときに振り返りやすくなり、学びが深まります。
実習中はトラブルや想定外の出来事が起こることもたくさん。
そのときにあわてないよう、箇条書きでさっとメモを残す習慣をつけておきましょう。
実習のねらいをメモ帳にも書いておこう
実習日誌には、その日のねらいや目標を記入する欄がありますが、それとは別に、メモ帳にも「自分なりのねらい」を書いておくことをおすすめします。
そうすることで、何を意識して観察すればいいかが明確になり、メモを取るポイントがつかみやすくなります。
たとえば、今日のねらいが「保育者がどのように子どもと関わっているかを観察する」だったとします。
このねらいを一日のはじまりにメモ帳に書いておくことで、「先生はどんなタイミングで声をかけているんだろう?」「困っている子にどう対応しているのかな?」と、自然と意識が保育者の言動や関わり方に向くようになります。
このように、メモする項目を自分であらかじめ決めておくことは、限られた実習期間をより目的意識を持って過ごすことにつながります。
最初はたくさんメモを取ろう
これまで、メモに書いておきたいポイントをご紹介してきましたが、実習が始まったばかりの頃から、すべてをうまく記録するのは難しいもの。
最初のうちは細かいことにこだわらず、とにかくたくさんメモを取ってみることを意識しましょう。
実習が進み、日誌にまとめる経験を重ねるうちに、自然と「どんなことを残しておけばよいか」が見えてくるようになります。
慣れないうちは手が疲れるかもしれませんが、メモ帳をすぐ取り出せる場所に入れておくなど、書きやすい環境を整えることも大切。
少しずつで大丈夫なので、「メモを取る習慣」を身につけていきましょう。
まとめ
実習中は覚えることが多く、次々に起こる出来事に対応しきれず、焦ってしまうこともあるかもしれません。
でも、そんなときこそポイントを絞ってメモを取ることが、自分の頭の中を整理する助けになります。
後から日誌を書くときの振り返りや、「次はこうしてみよう」と考えるきっかけにもつながります。
最初から上手に要点をまとめて書ける人はいません。
大切なのは、たくさん書いて、その中から“本当に大切なこと”を見つけていくことです。
今回ご紹介したメモのコツを参考に、自分なりのやり方を少しずつ見つけながら、実習をより充実した時間にしていきましょう。