コラム
子ども同士のトラブル、どう関わる?実習で学ぶ対応例

保育実習に行くと、子ども同士のトラブルに出会う場面があります。
おもちゃの取り合いや順番をめぐる言い合いなど、教室や園庭のあちこちでさまざまな出来事が起こります。
そんな場面に出会い、「どう関わればいいの?」と戸惑った保育学生さんも多いのではないでしょうか。
叱るべきなのか、それとも見守るべきなのか…。
今回は、実習中によく見られるトラブル場面を例にしながら、保育学生さんが意識しておきたい関わり方のポイントをご紹介していきます。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
トラブルは「悪いこと」ではない
まず大切にしたいのは、子どものトラブルは成長の過程の一部だという考え方です。
自分の思いを伝えたい気持ちや、相手の気持ちをまだうまく想像できないこと、言葉より先に手が出てしまうこと。
こうした姿は、子どもが人との関わり方を学んでいる途中だからこそ見られるものです。
トラブルをただ「いけないこと」として終わらせるのではなく、「学びの場」として捉える視点を持つことが、保育の土台になります。
トラブルの基本的な対応方法は?
・まずは落ち着いて状況を見る
トラブルが起きると、つい慌てて止めに入ってしまいがちですが、最初に大切なのは「何が起きているのか」を落ち着いて把握することです。
誰と誰がトラブルに関わっているのか、何がきっかけだったのか、ケガの心配はないかなどを確認します。
実習生の立場では、すぐに介入せず、担任の先生の動きをよく観察することも大切な学びになります。
ケガの危険がある場合はすぐに担任の先生に知らせ、それ以外は見守る姿勢を取ることも必要です。
・気持ちを受け止める声かけ
子ども同士のトラブルでは、まずそれぞれの気持ちを受け止めることが大切です。
「おもちゃを取られて嫌だったんだね」「使いたかったんだね」と、子どもの思いを言葉にしてあげることで、少しずつ落ち着いていきます。
どちらが悪いかをすぐに決めるのではなく、「そう感じたんだね」と共感することを意識しましょう。
実習生がそっと寄り添い、子どもの話を聞いてうなずくだけでも、子どもは安心できます。
トラブルの具体的な対応例
・おもちゃの取り合い
よく見られるのが、おもちゃの取り合いです。
まずは「どうしたの?」と声をかけ、状況を確認しながらそれぞれの思いを聞きます。
「おもちゃを使いたかった」「まだ遊んでいたかった」など、理由は子どもによってさまざまです。
すぐに「じゃあ順番ね」と決めてしまうのではなく、「どうしたらいいかな?」と一緒に考える時間を持つことが大切です。
年齢や発達に応じて、時計やタイマーを使ったり、別のおもちゃを提案したりするのも一つの方法です。
・ぶつかって泣いてしまったとき
子ども同士でぶつかってしまった場面では、すぐに担任の先生に報告し、まずケガがないかを確認します。
泣いている子には、「びっくりしたね」「痛かったね」と気持ちを受け止める声かけをします。
そのうえで、ぶつかってしまった子にも、「走っていて気づかなかったんだね」と状況を整理する言葉をかけます。
ただ謝らせることを目的にするのではなく、「どうしたらよかったかな」と、次につながる関わりを意識しましょう。
・言い合いやけんか
言葉のやり取りが激しくなっているときは、一度間に入り、落ち着く時間をつくります。
「ちょっと○○のお部屋でお話ししよう」と声をかけ、場所を変えるだけでも、気持ちが切り替わることがあります。
実習生としてできる関わりは?
実習生がトラブルの場面に遭遇したら、最終的な判断や指導は担任の先生が行うことが多いです。
そのため、「自分が解決しなければ」と抱え込む必要はありません。
大切なのは、子どものそばに寄り添い気持ちを受け止めること、そして危険に気づいたときはすぐに伝えることです。
また、先生の関わりをよく観察し、「なぜその声かけをしたのか」を考えてみることで、実習での学びがより深まります。
・声かけで気をつけたいこと
「ダメ」「やめなさい」といった言葉だけで終わらせてしまうと、子どもは理由が分からず、同じ行動を繰り返してしまうことがあります。
否定する前に、「嫌だったんだね」「びっくりしたね」など、気持ちを受け止める一言を添えることを意識しましょう。
また、みんなの前で強く叱るのではなく、落ち着いて話せる環境をつくることも大切です。
・トラブル後のフォローも大切
トラブルが収まった後の関わりも重要です。
トラブルがあった子ども同士が一緒に遊ぶ姿をそっと見守ったり、「ちゃんと気持ちを伝えられたね」と声をかけたりすることで、子どもは安心して次の行動に移ることができます。
実習記録には、トラブルの内容だけでなく、その後の子どもの変化まで書き留めると、振り返りの学びが深まります。
まとめ
子ども同士のトラブルは、保育学生さんにとって戸惑うことの多い場面です。
すぐに正解を出そうとするのではなく、子どもの気持ちに寄り添い、担任の先生の関わりから学ぶ姿勢を大切にしてください。
実習の中で見聞きした一つひとつの対応は、将来の保育へと確実につながっていきます。
焦らず、子どもと一緒に成長していく気持ちで向き合っていきましょう。



